一の谷嫩軍紀

一の谷嫩軍紀

語り ■ 説教節政太夫

上演時間 ■ (工事中)

  平家追討の狼煙を挙げよ。以仁王の令旨を受けて、源頼朝、木曽義仲が兵を挙げて都に迫っていた。都を落ちた平家一門は須磨の浦に陣をかまえ、追いすがる源氏を待ち受ける。
 武蔵の国の住人、熊谷直実の倅、小次郎直家は、初陣の手柄を立てようと一騎にて平家の陣に切り入るが、逆に傷を受けて父、直実に助けられる。子の面 目を晴らそうと父直実は、平家の武将に、勝負、勝負と戦いを挑む。激しい斬り合いの後に押さえつけた紅顔の武将は、時の参議、経盛卿の末子、敦盛公であった。 
 怪我をした倅、小次郎と年格好も同じ敦盛をみて、合戦の勝負が見えた今、この若者の命を奪っても意味のないことと、逃がそうする。それをみていた源氏の平山季重が、敵の大将を助けるとは、頼朝公への裏切りか、と騒ぎ立てる。吾が命これまでと敦盛は直実に、早く首を討って疑いを晴らせ、と直実に催促するのだった。子を思う親心と、名誉の狭間で心ゆれる猛将・熊谷直実の物語。