耳なし芳一

耳なし芳一

岩波出版刊「怪談」より
原作 ■ 小泉八雲
脚本 ■ 山形文雄
演出 ■ 生井健夫
美術 ■ 片岡昌
作曲・琵琶 ■ 水藤五郎
演出助手 ■ 田中佑子
音響 ■ 伊藤玩明
語り ■ 吉岡厳

上演時間 ■ 35分

 むかし、壇ノ浦に、芳一という琵琶法師が住んでいた。ある夜、平曲を所望したいという使いの者が訪ねてきて、豪壮な屋敷へ案内されたのだった。広間には身分の高い主をはじめ、いずまいを正して公達、女官が待っていた。高貴な方が、わたしの琵琶を聴いて下さる・・・。芳一の心は感激におどっていた。しかし、芳一を探しにでた寺の者の目に映ったのは、鬼火に囲まれて平家滅亡を詠う彼の姿だった。
 錦流・琵琶演奏を得て描く、小泉八雲怪奇の世界。

古典を楽しく分かりよく

 古典は劇にしろ、文学にしろ、面白い物語の宝庫である。なにせかかれてから数百年、いや千年たった今でも、まるで今の時代の人物であるが如く魅力的に闊歩しているからだ。人の道を、理想に燃えて歩む人もいれば、愛や義理に悩み、また活劇のヒーローなどが多彩に生きて古くない。
 物語の展開を楽しんだり、かのような人の生き方もあると、自分の振る舞いを省みたりするのも磨かれてきた古典作品の知恵である。そこには時代を超えた、人の永遠なるものが描かれていたからに他ならない。
 古典の文章を程よく褐色して分かり易くし、影絵人形劇で古典世界を華麗に物語る。